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「共鳴!ソウルリンク」第1話

突然だが、オレは今、何をしているんだろうか。
「走れ、闇よ!」
禍々しい気を放つ本に向かう小人…もとい精霊。
「ダメだ、あなた1人じゃきついよ!」
目の前に広がるこの信じられない光景。
「…ちょっと、何フリーズしてんの!?」
この一生かけても得ることのできないだろう体験に巻き込まれてしまったのはなぜだっただろうか。


共鳴!ソウルリンク
第1話 「超常現象!?ソウルリンク!」



陣内蒼馬、小学5年。
家は病院で、学校まで徒歩10分。
生活は困ってるわけでも、特段裕福なわけでもない、ごく普通のものだ。
「おーい、蒼馬ー!」
「大河!お前、今日は寝坊しなかったんだな」
「失礼だな…オレがいつ寝坊したって?」
「昨日とか?」

「うわっ、風雅!いつからそこに!?」
「おまえが家を出て2つ目の角を曲がってからすぐだな。よお、蒼馬」
「おはよう、風雅。…あれ、夢次は?」
「あー、大河が寝坊しなかったら最後はあいつじゃね?」
「ま、まあ、オレ達はさっさと教室入っちゃおうぜ!ほらほら、蒼馬も風雅も、脱いだ脱いだ!」
学校に行ったら普通に友達と会って、好きじゃねえけど授業も受けて、他の3人は部活に入ってるからオレは1人で帰る。
「お帰り、蒼馬」
「ただいまー」
「今日は昨日お父さんが買ってきたサブレがあるけど?」
「お、それ食う!手洗ってくるな!」
普通の父さんも母さんもいて、特に何も変わったことなんてない。
何も…

「あ、いた」

サブレを食べた後、とりあえず2階の自分の部屋のドアを開けただけだ。
オレ、何か変なことしたか?

「蒼馬ー?どうかしたの?」
「…いや!トイレ行くの忘れてた!」
仕切り直しだ。仕切り直し。
行こうとも思っていなかったトイレを強引に済ませて、2戦目。
今度はそっとドアを開ける。
…やっぱり、小さい小人が…
「とりゃっ!」
「おわっ!?」
…に、腕をとっ掴まれて部屋の中に倒れこむ。
「だっ…誰だよお前!?なんでオレの部屋に勝手にいるんだよ!?」
「その前に他のツッコミどころないの?」
「ある!!」
「じゃあそっちを先にどーぞ?」
「お前誰だ!?」
「同じやん」
「同じじゃねーよ!オレの部屋にいる理由じゃなくて、その前に言ったことを聞いてんだよ!」
ケラケラ笑うその小人は見慣れない服を着て、何かを抱えながら、時には座布団のようにしながら宙に浮いていた。
「あたしはココロの魔導師!」
「心の魔道士?」
「う、うーん、文字があってない気がする。漢字変換とか、魔導、とか、まあ違う字あるもんね。」
勝手に話を進めるそいつは、どこからか小さいスケッチブックを取り出して、何かを描き始めた。
いや、そんなちっせえの読めねえって。
ただ、その隙にそいつをよく見てみる。
なんとも言えないセンスの配色で、微妙にフリッフリしたスカートに短めのマント。
髪を少しだけ2つ縛った女子だ。
「ほい、これでココロの魔導師!」
「いだっ」

オレが覗き込もうとすると、そのスケッチブックは急に巨大化(とはいっても普通のサイズに)して、角をオレの額に激突させた。
「えっ、何やってんの」
「うるせえな!急にこれが大きくなるから……大きく?」
文字を読み終わった後、ふとそのことに気付いた。
「はああああ!!??」
「ちょっ、何、別に変なこと書いてな…」
「なんであのちっさいスケッチブックが大きくなってんだよ!?」
「じゃああたしのサイズにもツッコまない!?」
「だったらなんでお前は小さいんだよ!?」
「ソウラーだから!!」
「ソウラーってなんだ!?」
「いわゆる精霊!!」
「なんだよ精霊って!!」
「こんなん!!」
…となったところで、オレが疲れて座り込む。
「…はあ、なんだこれ、オレ変なもんでも食ったか…?」
「食ってない食ってなーい」
「なんでお前にわかるんだよ…」
「あなたの記憶にないからよ」
この時のオレは、理解不能なことの連続に疲れ切っていたのか、逆に冷静にそいつの言葉を聞くことができた。
「そうかよ…」
「んで、コレの説明始めていい?」
「勝手にどうぞ」
「アバウトでもちゃんと聞いてよね。
これはソウラーのホテルみたいなもんなの。ソウラーも一応、リンカー達含む人間みたいに暮らしがあるんだけど、普通の家とは別の、ソウラーの家代わりになる部屋」
「ふーん」
「で、なんであたしがこれを持ってきたかって、ソウラー達がドドっとこっちの世界に来ちゃったのよ。いろんな方法で」
「へー」
「主な原因としては、魔導書の暴走があるの。誰が何をやったか知らんが、あっちの世界中の魔導書が暴走し出してね…ちょっと聞いてる?」
「聞いたところでわけわかんねーよ」
「うーん…じゃあ、外出てみましょう」
「外?」
「外。連れてってよね」
そいつは逃がさないと言わんばかりの目つきでそう言った。



「外でもしかしたら魔導書がみっかるかもしれないわ!」
「そういえば…お前、なんて言うの?」
「へ?」
オレとそいつは、道を話しながら歩いてた。
こんな変なやつ、見られて大丈夫なのか?と思ったけど、曰く、なんの心配もいらないらしい。
周りの人には、オレが普通に人と話してるように見えるそうだ。
「え、だから、ココロの魔導師」
「そうじゃなくて、名前」
「……」
「無いとか言わないよな?」
「…ココロの魔導師じゃダメなの?」
「そんな長ったらしいの、呼びづらいっつの。」
「えー、でもあたしはココロの魔導師だからなー確実にー」
頑なに『ココロの魔導師』としか言わないそいつに、オレはしびれを切らした。
「じゃあお前はココロ!これでいいだろ」
「おっ?いいねえ、あたしそうするかな!」
そいつ…改めココロは、持って来た何かの上にドスンと座った。
…浮いてるけど。
「よーし、じゃあ改めまして、魔導書探しまーす」
「図書館か?」
「あー、それもアリね。どっかに擬態で潜んでるかも!」
「つか何、魔導書、って魔法なの?」
「まあ、魔法っちゃ魔法。こっちの世界には無いものだよね」
「ねーよそんなもん。あったら楽だろうな」
「楽よ~、確実に楽よ~…でも、強弱はあるんだよね」
「強弱?」
「そう。魔法ったって、何でもできるとかじゃなくて、やっぱり人によって強いのとか弱いのとか…ほら、あんな図!!」
ココロが急に指差した先には、いつもの公園。
…で、おかしな事が起こっていた。
「あれが…魔導書なのか?」
「シェイ!!」
オレの問いには答えず、ココロが叫ぶ。
輝く銀髪に黒いローブと鎧と大きなマント。
その声に気づいた…シェイは、オレ達の方を向いた。
「…ココロの魔導師、なぜ人間が…まあいい、あれがアンだ」
「え、アンが捕まったの!?」
「こっちに来てからすぐだ」

開かれた本の上に、クリスタルのようなものが浮いている。
よーく見ると…人?が入っている。
「ほら!これが魔導書の暴走の1つよ!こうやって、ソウラーを閉じ込めて、その魔力で暴れ出すの!幸いまだその前みたいだけど…」
「ぼ、暴走って…どんなのだ?」
「うーん、周りの破壊とか?人体被害とか?」
じょ、冗談じゃねえ…!
オレは震える足で少しずつ後ずさる。
「待って逃げんな!!」
「いや逃げんな、って、逃げるに決まってんだろ!?人体被害って!」
「待ってよ、むしろあなたは逃げる方が危険なの!あなたが戦うのよ!!」
「た、戦うって…」
「ソウルリンク。ソウラーと魂を1つにするの!」
「はあああ!!??」
「来るぞ!」
オレ達が騒いでいる間にも、その魔導書は何かしてたらしく、シェイが喝を入れる。
そして、何やら文字が出て来たと思ったら…
「走れ、闇よ!」
オレ達めがけて来た弾をシェイは相殺した。
ただ、相当な力だったのか、息が上がっている。
「ダメだ、あなた1人じゃキツいよ!ほら、早くしないと!…ちょっと、何フリーズしてんの!?」
ココロのその声でハッと我に帰る。
何が何だかわからないけど、ここで死にたくはない。
「わかった、そのソウルなんとかやらをやってやるよ!どうするんだ!?」
「そ、そうねえ、えっと…あれ、あなたの名前、あたし聞いてなくない?」
「陣内蒼馬!」
「オーケー、ならシェイ!この蒼馬はリンカーなの!ソウルリンクできるわ!!」
「…そいつがリンカー、だと?」
リンカーってなんだ?と聞きたかったけど、今はそんな場合じゃない。
シェイはココロの言葉に反応して、オレのところまできた。
「本当にこいつに素質があるのか?」
「じゃないと連れてこないっつの!…えーっと、それをやる気で、ソウルリンク!って言うの。できるしょ?」
「言った後どうするんだよ!?」
「それはあと!まずはリンクして!じゃないとあなた、生身だから死ぬわよ!?」
「わ、わかったよ!…じゃあ、よろしく」
オレは自分の手のひらに乗るぐらい小さなパートナーに声をかけた。
「ああ」
シェイは短く答えた。
息を思いっきり吸う。
「「ソウルリンク!!」」

瞬間、目の前の景色が変わる。
闇、とでも呼べばいいだろうか。
真っ暗な空間の中で、何かがオレの中に入ってくる感覚。
これは…
「できた!ソウルリンク、次世代の暗者だわ!!」
そのココロの声が聞こえた時には、もうあの空間はなく、変わったことといえば…オレの容姿だ。
「な、なんだこれ…!?」
「リンカーであるあなたが、ソウラーであるシェイとリンクした姿、つまりソウルリンクは成功したのよ!」
全体的に黒っぽい服装。ファンタジーみたいなマントがなびいている。
そう、つまりシェイみたいな…
「おい、オレはこれからどうすればいいんだ!?」
「力の使い方は本人に聞いてー」
「本人って…」
【出せ】
頭の中でシェイの声が響いた。
「は、はあ!?何を!?」
「シェイ!ちゃんと詳細言わないとわかんねーぞ!?」
【剣だ。闇の力でできた剣を出せ】
「闇の力の剣…?出すって…」
そんな方法、わかんねーよ!…と思ってたら、オレの右手に力が集まって、その闇の剣が現れた。
「ま、どのリンクであろうと、大事なのは本人がそうしようと"思う"ことだから、方法とかはあんま気にしなくていいと思うけどー。
それよりシェイ!蒼馬は闇の素質があるわ!相性いいみたいだから、たぶんいきなり強いのいってもイケる!!」
【なら、決めるぞ。斬ってろ。】
「き、斬るって、この本をか!?」
「だからシェイ!ちゃんと細かく言いなさいってば!!」
【…一撃で決める。それまで魔導書を斬ってろ。隙をつく】
「よし、わかった。はあああっ!!」
…と、斬りかかった時点で、オレは気づいた。
オレ、剣とか振ったことねえんだけど…
でも、そんな心配はいらなかった。

ザシュッ、ザシュッ、ガキィンッ!

オレの剣は正確に魔導書を捉え、攻撃を的確に当てていた。
ただ、狙っているのは本というよりクリスタルで、ヒビが入る様子もない。
近くに行ったことで、クリスタルの中がよく見えた。
青っぽい服を着て、長い髪を横の高めの位置で縛っている、マントをつけた女子だ。
その目は閉じている。
「お、おい、シェイ!これいつまで続ければいいんだ!?」
【ヒビを入れろ。傷を負うことは無い】
「ヒビを入れる!?入るのか!?」
【入る。その時に食らわせるぞ。それまで何も考えるな。斬れ】
仕方なく、そのシェイの言葉に従ってひたすら剣を入れていく。
魔導書が出す何かは、オレに当たる前に闇に弾かれているようだった。
それから、ピシッと、音がした。
【唱えろ!】
「な、何をだ!?」
オレはその場で戸惑ったけど、スッと、その、おそらく呪文というものが頭に入ってきて、次の瞬間には唱えていた。
「【レヴィダード!!」】

オレの左手のひらから放たれたそれは、魔導書を包み込んだ。
そして、パリィンッという音がして、一瞬目眩を覚えると、闇が晴れた時には、シェイが閉じ込められていた精霊を受け止めていた。
「シェイ!蒼馬!アンも大丈夫そうね」
ココロが全て終わったタイミングを見計らってか、オレ達のところに飛んできた。
「ふう、…で、このようにソウルリンクは、力を存分に増大させるの。ソウラーだけじゃあキツいことでも、リンカーとリンクすればほらこの通り!」
「…しろ」
「ああ、早くしろってね」
シェイがココロを急かすと、ココロは助けた精霊…アンに向かって何かをし始めた。
「あたしはね、ソウルリンクはちょっとできないんだけど、こういう事はできるんだよね。」
ココロの力がアンに吸い込まれると、アンは目を覚ました。
「あれ…ぼく…」
「気づいたか」
「えっ、あ、シェイ!?そうだ、きみは大丈夫?」
「しろ。」
「何を?」
「自分の心配だ。」
「シェイが言いたいのは、俺の心配より自分の心配をしろ、って事でしょ~?
さて、これからお世話になるリンカーだよ」
「お、おい待てココロ!これからお世話になるって、どういう事だ…?」
「その通りの意味よ。ほら」
「きみがリンカーだね!ぼくはアン!それと…」
「呼べ」
「あ、そっか。ルゥくん!」
「クルー!」
アンが呼ぶと、変な小さな動物みたいなのと、杖が現れた。
「ぼくの相棒、というのかな。ルービルクルっていうんだ。合わせてよろしく!」
「部屋は持ってきたよー。ほらこの通り」
「ほんとだ、じゃあ早速入ってみようか!」
「クル!」
そう言うと、アンとルービルクルはココロがずっと持っていた丸い分厚い板のようなものに吸い込まれていった。
「入るぞ」
「はいはーい」
続いて、シェイも入っていく。
それを確認したココロは、オレにそれをさしだして…
「じゃ、これ、どっかに置いて」
「どっかにって…オレがか!?」
「うん。だって、これから戦うのに、すぐそばにいないと困るでしょ?これ、あたしも使うから」
「ま、まだやんのかよ!?」
「悪いけど、リンカーなんてそうそういるもんじゃないのよ。あ、でも一度見つかれば集まる、っていうから、やっぱあなたのところにいるのが安パイよね」

「ふっ、ふざけんなあああああああ!!!」
陣内蒼馬、年は10歳。
こんな歳で、重すぎる何かを課せられてしまった気がする…。



次回予告
「うわあ~、人間の世界ってこんな感じなんだね!」
「見慣れんな」
「おいお前ら!何勝手にくつろいでんだよ!?」
「ま、精霊にとっちゃあ珍しいものばかりでしょーよ」
「答えになってねえ…
次回、輝け!煙突劇場!
って、煙突劇場?」
「世の中何が起こるかわからないわねえ…」
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