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Take over to Succeed Loop

「なあ…フレイヤ…?」
フレイヤは何も答えない。ただ虚ろな目でどこかを見てるだけだ。
「何が…あったんだよ、なあ!」
フレイヤは何も答えない。ただ虚ろな目から涙が流れた痕があるだけだ。


テイクオーバーループ


「アリス!」
オレはいつもならもっと楽しみな気分で開けるドアを開けた。
「ジーソ、…どうしたのそれ」
アリスはすぐにオレが連れてきたフレイヤに目を留めた。
「オレが見つけた時には、この状態だ。いくら呼んでも、こんな感じで…何か、呪いでも…」
「やっぱり、耐え切れなかったのね」
…は?
「耐え切れ…って」
「んー、ココロの魔導で治し…てもいいけど、根本的な理由には…」
「おい、なんとかならねえのか?」
そう言うと、アリスはうーんと考えたあと、フレイヤを魔導で持ち上げると、
「ちょっと安静にしておく。治療はかけてみるから」
いつものソファに座らせた。
「あんまり刺激…てか、情報を与えないほうがいいわ。ちょっと不安だけど、依頼行こう。これ」
アリスが見せてきた依頼は、デラコラ洞窟のガスボムダの討伐依頼。
「じゃあ、オレがこの家守っとくから、行ってこいよ」
「いやだから、あなたも行くの!」
「は!?フレイヤを置いてか!?」
「だから、安静ってのは、誰もいない空間で、極力なんの情報も与えない事!なんなら目隠し耳栓してもいいぐらいだわ!」
「別に、話しかけたりしなけりゃいいんだろ!?」
「人間だってねえ、気配ってもん感じるもんなのよ。治療魔導的にも、本来は隔離するのが1番なの!セキュリティぐらいはかけてくから!」
フレイヤが精神的にやられているのは確実で、そのスペシャリストであるこいつにそこまで言われちゃあ、オレも何も言えない。
「…わかった」
「ま、でも今日はちょくちょく外出てちょくちょく帰って来ましょう。んで、成果はその時その時だ」
オレとアリスはフレイヤを独り残してこの家を出た。



「ジーソ!そっち行った貫いて!!あと火気厳禁!!」
一瞬フレイムを使おうとしたのを引っ込めて、遅えよと思いながら改めて構える。
オレは巨大な鋭い針のように右手を変形させた。
「アイスニードル!!」
その呪文を纏った針は、感覚は無いものの確かに"ガス"を貫いた。
瞬間、霧のように四散する。
「ふぅー、終わった終わった!やっぱ1人より早いわ!」
「当たり前だろ、1人と2人じゃあ」
「あなた、それにもオリジナルの技名つけてもいいんじゃない?言霊乗っけた方が楽だろうし」
「そうだな…」
オレ達がそう、洞窟の中で話していると、何かがパラパラと落ちて来た。
「しまった、崩れるか!?」
「いや、これは…」
アリスはその先を言わなかった。
でも、別にそれについて聞こうとは思わなかった。
なぜなら、目の前に"何か"が広がっていたからだ。
全てが、どんどん"なくなって"いく。
何か魔導に吸い込まれているわけではない。
ただ、"存在そのもの"、"世界そのもの"が崩れているんだとわかったのは、いつもこいつと一緒にいるからだろうか。
本能的に、「逃げろ」と言われる。
それに従って、オレはその場からすぐに離れ出した。
たった2秒、2秒後に、オレの背後から風を感じた。
それも、大きな音とともにだ。
「うわあっ!?」
いつもより高いあいつの声がよく響いた。
「アリス!!」
オレはブレーキをかけてオレ達をふさいだ岩の前に行く。
腕をハンマーにして、1発叩いてみるけど、さすがに1回じゃあビクともしなかった。
「ジーソ!気にすんじゃない!!早く行け!!」
アリスの声に従うつもりは無く、オレはもう1回ハンマーを打ち付ける。
少し、響いたような気がする。
「ジーソ!!いいから聞け!!逃げろっつってんの!!」
「お前を置いて逃げろ、ってのか!?」
「あなたあたしが何なのか忘れてない!?今は自分の身のが大事でしょ!?自分がのまれちゃ何の意味もねえんだぞ!!」
その叫びで、オレはそうだと気がついた。
こいつの言う通り、まずは自分…いや、それよりも…
「あたしん家にも寄るな!!もっと遠く行け!!仮にもあたしん家なんだから!!」
「本当に大丈夫なんだろうな!?」
「それはあなたが助かってから言えよ!!!」
崩れが大きくなってきたのも感じて、オレはその場をすぐに離れた。
まずは我が身。
そういえば、オレはまだまだ弱いやつなんだっけ。
最近は守ることが多くて、忘れていたのかもしれない。

この時、もしオレが振り返っていたら、もう少し早く知ったかもしれない、と思う。



逃げても逃げても"消失"は追ってくる。
それにとても恐怖を感じるのは、オレがこの世界の住人である事を決定づけている。
ただ、気になったことは、後ろをチラチラと見ても、何もない事だ。
もうとっくに、アリスん家も過ぎたはずなのに。
もし無事なら、なんの障害物もなく見えるはずじゃないか?
と引き返したくなるものの、一度発進してしまった恐怖心は下がってはくれないようで、モヤモヤしながらひたすら前に進む。
すると、もうすぐ森が終わる。
その先には…何も無い!?
そのことに気づいて、急ブレーキをかけるものの、森からは飛び出してしまった。

そこには、丘のような崖と、
「アリス…」
この世界の"想造主"がいた。

「や、やはり戻った…戻ったか」
「戻った、って何だよ…まあな、この通り無事さ。それより、フレイヤは…」
「久々の生存者1人!」
あいつは、残酷な宣告をいとも軽く読み上げた。
「…1人?」
「1人。あー、あたしは除いてね」
「フレイヤはどうした?」
「あ…あー…」
明らかに気まずいというオーラを隠さないあいつに、オレは叫ぶ。
「お前、言ったよな!?自分の家は大丈夫だって、フレイヤは大丈夫だって!!」
「……」
アリスは何も言わない。
「確かにお前は無事である以上、オレの方を先に心配するのはわかる、でももっと優先するべきやつがいただろ!?
あの状態のフレイヤが、何かできたと思うか!?」
「……」
アリスの目がピカピカと光る。話す言葉を探しているようだ。
「そもそも、やっぱりあいつを独りにしたのがダメだったんだ!!何が安静だ!!独りにさえしなければ、ここに連れて来れたかもしれないのに!!」
「…あのね」
アリスが言葉を発した瞬間、お前のターンは終わりだと言われた気がして、急に冷静になる。
「…わかってるさ、そんなこと言われても困る、だなんて…」
オレはさっきまでギリギリに入っていた体の力が抜けていうように感じる。
「それができたら、そうするよな…1人にしたのだって、何も無意味にしたわけじゃねえよな…」
「いや、だからあのね、ジーソ…」
「いいよ、もう怒ってない。ついでに、さっきのも、ただのやつあたりさ」
「そうじゃないの。早く、工程を済まさなきゃ」
「…は?」
抜けていたオレの力が、急に戻ってきた。
「というわけで聞いてね。

崩壊発見から30分、この世界は終わるの」

「…は??」
オレはそれきり、体が動かなくなった。
脱力したんじゃない、固まった。
「つまり…予定、されてた、のか?」
「予定というか、いっつもそーなの。もう2006回目だよ!?戌年だっけ?戌年!」
「そんなんでわかるか!!どういう事だよ!?」
「おっと、待ってました!」
アリスは急にふざけたような態度で手を叩く。
そして、いつもより大きい身振り手振りで話し始める。
「2006…引く3で、2003回目公演をはじめまーす!!」
「はあぁ!?」
「まーずーは、この惨状!!一言で言えば世界の消滅!世界の中で世界が戦争で荒地ー、とか水不足で干からびてボロボロー、とかじゃなくて世界そのものがボロボロになって消えていきまーす!」
オレはふざけた話し方を気にしている暇はなかった。
「ア、アース、みたいな話だな…」
「まあぶっちゃけるとほぼソレ。聞かれる前に言っとくと、原因なんだけどあたしは知らん!さらに言うならきっかけやら何やらも不明!わかるのは発見からのタイムリミットは30分!そして時空の力が通じること!」
「時空の力…?」
「アースが得意なやつね。ほら、アースがもう1人のあたしなら、ましてや想造主ってやつだもの、目覚めても違和感はないんじゃない?…ま、それでも解決法わかんないから絶望的なんだけどねー」
あいつ本人はサラッと言いやがったけど、オレにとってはまさに絶望的な"絶望"という言葉を聞いた。
こんな、"世界"のことがこいつにできなくて、他に誰ができるってんだ!?
「まあでも、何がマシって、想造世界が壊れてるわけじゃないのが幸いよね。それこそアースみたいにさ、想造世界の中の1つの世界が壊れてるって感じでー…ああもう時間だ!」
「時間って、なんだ、その30分ってやつか!?」
「そうね。正確には、その直前」
アリスは、もともとそばにあったモヤに手をかける。
「大丈夫だよ、見捨てる気は無いから。てか、見捨てないためにまたやるんだから」
そう言って、そのモヤ…おそらく、ゲートの中に入って行く。
「おい、アリス!!」
オレは思わず追いかけ…ようとして、

跳ね返された瞬間、意識が途切れた。


気がつくと、オレは森の中にいた。
何をしてたんだっけと思い出して、ついさっきのことを思い出した。
「ここ…どこだ?」
オレが困惑したのは、そこが知らない場所だったからじゃない。むしろその逆だ。
いつもの通る道すぎたからだ。
とりあえずは自分が向いていた方…アリスの家に行くことにした。


「あ、ジーソさんきたー」
アリスは2階から降りてきた。
…特にへんなところは何も見当たらない。
「ちょっと今から依頼行くとこだったんだよ。行かない?」
「…フレイヤは?」
「うん、待とうとは思ったんだけど、ちょっとこれ、時間がね…今回は2人で行こう」
「…来てないのか?」
「うん」
そしてふと、フレイヤがどんな状態だったかと思い出す。
そうだ、迎えに行ってやらないと…!
「オレ、フレイヤ迎えに行ってくる!」
「ちょ、ちょっと待って!!」
何も知らないのか、アリスは引き返すオレを追いかけて来た。
リブリトダクの方へ向かって、オレは速度を上げていく。
「ちょっと、ジーソ!いきなりどうしたのよ!?」
そして、オレはあるところでアリスに掴まれた。
「こ、この先、リブリトダクですけど!?死ぬ気?」
気づけば、リブリトダク周辺の森にまで来ていた。
「なあ、フレイヤ、フレイヤは…!?」
「あなた…もしかして」
そう言ったところで、大地震が森を襲った。(オレ達は浮いていたから影響は無かった)
そして…"アレ"が、リブリトダクの方から迫ってくる。
「リ、リブリトダクが…!?」
「ジーソ、分かれよう!逃げやすいように!!後で合流な!!」
そう言って、今度はすでに浮いていたアリスが先にその場を離れた。
オレも、どうすることもできずに、アリスとは逆の方向に逃げ出した。



「はい、2007回目ようこそー」
「はあ??」
オレが最終的に辿り着いたのは、またあの世界の果てだった。
「やっぱ戻ったのね。代償的なものさすがにデカすぎたけど…えー、でもなー、それじゃあ根本的な解決には…」
「おいアリス、これは…何なんだ?」
そう言うと、アリスは表情を少し明るくした。
「はいはい、つまりね、

崩壊発見から30分、この世界は終わるの」

そして前にも聞いた言葉を、一言一句違わず聞いた。
…アレは、何だったんだ?
「うーん、時間が無いな。とりあえず、この惨状はあたしにもどうしようもできないの。この世界そのものが壊れちゃってね。でも、まあ、無くさせはしないよ。」
「アリス、それって…」
「さーて、次はどうするか…」
アリスはそう言うと、またあのゲートの中に入っていく。
「おい!!」
弾かれることがわかっていたオレは、無駄なことを分かりながらも、その場でそう叫んだだけだった。



また、オレは森の中にいる。
そして、アリスの家に行く。
そこにはフレイヤはいなくて、でかけたり、でかけなかったり、依頼に行ったり、違うところに行ったり、いろいろあったけど、結末は同じだ。
あの世界の果てで、アリスの話を聞いて、また森に戻る。
これを、最初のも合わせて、今回で15回目だ。
オレはアリスの行動に対して、2つ、予想があった。
1つは、世界の想造主としての役割として、その場で世界からの情報に従って行動している、という予想だ。
なんでこんな予想が立てられるか、って言っても、そういう事がアリスといてあったからだ。
世界の仕組みについては、あいつは世界から直接教えてもらっている、らしい。
でもこれに嘘はないと思う。
あいつが魔導も魔物も無い世界から来たのは確実だからだ。
それはあいつを連れて来た本人達が言っている。
あの場で世界から得た情報を、台本を読むように伝える。
時々、自分で台本を読むように喋るあいつなら、やりそうなことだ。
でも、
もう1つは…状況を考えれば1番可能性が高い、
あいつもオレと同じようにループしている、という予想。
これだけ繰り返せば、もう夢だったのかなんて思わない。確実に、オレは同じ時間をずっとぐるぐると回っている。
行動を変えてみても何も変わらない。途中で何をしようと、結局あの結末に辿り着く。
それを覚えているのがオレだけじゃなくて、あいつもだ、という事だ。
一応、その決定的な証拠を叩きつけようと、ここまで大人しくしてきたけど、今回はどうしようか。
…いや、どうせ行き着く先は同じなんだ。
今回は最後に、あいつの言う通りに行動してみよう。



今日は、アリスの言う通り、一緒に依頼へ行って、アリスの言う通り、雷の嵐でアリスの水を分解して、最後にあいつの着火でガスボムダを倒す。
今回は爆発させることにしたらしい。
そして、その爆発とともに、洞窟は崩れだし、あの消失が追ってくる。
別々に逃げようと言われたから、別々に逃げる。
そして、もう見飽きたあの場所へ辿り着く。
「2020回目、今回も変化無し。西暦でいうならオリンピックだっけ」
今回もアリスは何かを軽く記録していた。
この記録は、アリスが自主的に残しているのか、それとも…
「アリス、これはどういうことだ」
「おっ、今回は早いね。えーっとね、つまり、

「崩壊発見から30分、この世界は終わるの」…へ?」

オレはあいつの言葉に声をかぶせた。
「もうそれは聞き飽きた。15回も聞いてんだ」
アリスはそう言ったオレに、一瞬目を見開くもすぐに落ち着いて、
「そう、なんとなくそんな気はしてた」
やっと、今まで聞いたことのなかったような内容を喋った。
「やっぱり、あなたも覚えてたのね」
「まあな。お前がいつからこんなことしてるかは知らねーけど」
「さっき言った通り、2020回目。常人なら気でもおかしくしちゃうんじゃない?正直、15回も、しかも知らないフリ?とかそれもぶっちゃけかなり応えると思ったけど」
「ま、考えてた時間さ。…ん?」
オレはふと気がついた。
アリスが今言った、常任なら、って…
「おい、アリス。お前、そんなにループしてるんだったら、フレイヤの事も知ってるんじゃないか?
少なくとも、オレの知っている限りではフレイヤはずーっとあの状態だ」
オレはあいつの目を凝視する。それに警戒したのかなんなのか、あいつは一瞬目を閉じた。
「じゃあ、一応、今回もフラグとばかりに時間あるし、お話するかな。少し前より量が増えるね」
そしてアリスは長い話をし始めた。



ある日突然、世界が消え始めた事。
1度目はアリス以外の全てが消えた事。
その時に世界から仕組みを知った事。
ここはアリスが旅をしていた時の最終地点…世界の中心だった事。
ここに来たことで時空の魔導が目覚めた事。
それで何回も何回もやり直してる事…そして、
「その間、いっつもこうやって、あなたが来てたのよ。最初と、10回?ほどを除いて。」
アリスの話によると、オレはすでに2000回を超える回数だけここに来ているらしい。
そこまでの記憶はオレにはない。
「そんなに、来てたのか…?」
「ああでも、ほらアレよ。その時はたぶん、あなたも覚えてないから。てか本来それがふつーのはずだしー。それでね、」
「待て、その、10回って、何なんだ?」
聞いた時から気になっていた事を聞いてみた。
それを聞くと、アリスは隠す気もなく動揺して、その場で悩み始めた。
「迷ってんならオレが決める。何かあるなら話せ!」
そう言うと、あいつはため息のように空気を吐き出して、覚悟を決めた様子を見せた。
「…その10回は、フレイヤが来ていた期間よ」
「フレイヤが…!?」
オレの中でその図が浮かぶ。久々に見た、"生きた"フレイヤだった。
「で、その直後があなたの覚えてる期間。たぶん。」
…じゃあ、つまり…?
「待て待て待て!!まさか、お前のせいなのか!?」
オレとしては、「まさか!なんであたしが!?」…みたいな答えが返ってくるのをどこか期待していた。
でも、現実はそうはいかなかった。
「え、う、うーん…いやでも、アレばっかりはどうにも…」
そう言いかけたところで、オレはアリスの腕を掴み上げた。
「おい!!どういうことだ!!」
「どういうこと、って……でも…」
「いいから言えよ!!オレに言えない事なのか!?」
「言えないというか…その…」
オレが畳み掛けると、やっとアリスは観念して、事実を話し始めた。けど、
ある時、この世界がもう何回もループしている事に気付いたフレイヤはなぜか記憶を引き継ぎ続けた…?
「それで…お前が話したのか」
「そう…だけど…」
そう言ったところで、今度は両方の肩を掴み、見上げる。
「お前がっ…!お前が!!なんであんな風にしたんだよ!!
もっと何か…フレイヤにできる事があっただろ!!ココロの魔導師だろ!?」
「…うん、そうね」
少し涙目で怒鳴りつけたオレに対して、アリスは柔らかく、それでいて強めの力で抱きしめた。

「でもそれを、本人が嫌だ、って言うんだもの」
「…そんな事言う、って事は、治せないんだろ?」
「あたし、完全な精神崩壊を治す呪文なんて知らない」
しばらくオレは何も言えないでいると、何か変な感覚がして、アリスを突き飛ばした。
「うわっ!?」
「おっ、お前…!今何しようとした!?」
「何って…何だよ…」
「今…お前……
オレの記憶を消そうとしなかったか?」
すぐに反論してこなかったのを、オレは肯定と受け止めた。
「全部、忘れろ、ってのか!?それでまたお前だけこのループを自覚し続けるって!?ふざけんな!!何を企んでそんな…」
「フレイヤの二の舞だからよ!!」
アリスは立ち上がった。
「フレイヤは、それを拒んで、ほぼ1人で抱えてあんなんなったのよ!?あなたもあんなんなりたいのか!?」
「だったら尚更だ!!今まで気づけなかった、あいつを少しでも楽にさせてやれなかった、オレが忘れるわけにはいかない!!」
お互いに少し息切れをする。でも、普段くっちゃべってるアリスの方が早かった。
「…言ったでしょ、我が身だって。あなたが狂ったら今度は誰が守るの?しかも2人も」
それを言われて、ハッとする。
オレがいなくなったら、今度はこいつは…独りだ。
それに、確かに、オレまでおかしくなったらもう何もできない。
…それでも、
「だからって、忘れちまったら結局何もできねーじゃねーか!…あいつを守ることも、お前の相手も」
「あたしの…?まさか、」
「ちゃんとここに会いに来てやるよ。それで、2人で考えるんだ。あいつを救う手を」
「それをやって、フレイヤは…」
「オレはならない。こうなった以上な」
こうなったら、意地でもこのループを脱出してやる。そして、そうしたら……
「…そのフレイヤは、どこにいるんだ?どこかにいるんだろ?」
そう言うと、アリスは素直には答えなかった。
「じゃあ、もう時間だから、次の時に、あなたが連れておいで。たぶん、今度はあなたの記憶通りのところにいるよ」
「ああ、必ず」
「全く、そこまで言うなら、ホントに正気でいてよね。危なかったら、すぐ手を打つから」
アリスはそう言って、ゲートの中へ入っていく。
瞬間、オレの意識は暗転する。



目を覚ますと、やっぱりオレは森にいて。
そして、前回までのこともちゃんと覚えてる。
「フレイヤ!フレイヤー!!」
聞こえるかどうかもわからないものの、とりあえずオレは呼ぶ。
場所はわかってるもんだから、すぐに見つかった。
「なあ、フレイヤ…」
アリスは、フレイヤは決して意識がないわけじゃない、って言った。
ずっと意識はあって、こんな事になってからのループもずっと記憶している。
今も、この瞬間も、フレイヤはオレと同じように、先に進まない時間を理解しているんだ。
「なんで…なんで…こんなんになるまで言ってくれなかったんだよ……!」
オレは思わず動かないフレイヤに泣きついた。
なんだか、涙が止まらなくなったからだ。
そのまま、膝をついて座り込む。
一応立っていただけだったフレイヤの体も一緒に沈んだ。

「絶対に…絶対に、元に戻してやるからな…!!」
オレはしばらく、その場から動かなかった。







本来はスクショパシャパシャでTwitterに上げる予定だったもの。こんなに長くなったよ!!
Take over=引き継ぐ。ちなみにSucceed=継ぐ。
でも、継ぐ継ぐじゃなくて、サクシードループを1つの名詞として捉えてね!!
一応こうやって続きを書いてみたけど、特に続きを固定する気はなくて、あそこからあり得るルートのうちの1つ、ぐらいの感覚。

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